The Unisounds 『S.T.』LP 1971年作

豪州産Soft Rock最高峰と言えばこちらですね。マンモス級のレア度を誇る今作は、オース

トラリアとニュージーランドのそれぞれ2ヵ国で異なったジャケットでリリースされました。

NZ盤がなかなか手に入らず、両方揃えるのに3年もかかってしまいました。゚(PД`q*)゚。

ちなみにNZ盤ジャケはこちら↓ まさかヤフオクでGetできるとは・・( ゚Д゚)・・

多くのSoft Rockファンが熱望の1枚だと思いますので紹介させて頂きます。

The Unisoundsは若い男女8人組のコーラス・グループ。メンバーについて一応調べてみた

のですが全くヒットせず。下記にメンバーの名前を記載しておきますが、このグループ前後

の活動について何かご存知の方いましたらお願いします┏【○_ _】┓

コーラス隊

女性陣:Gail Esler Lynne Gough Adrienne Russell Sue Hathaway

男性陣:Kevin Kidney James Burnet John Varley Rodney Vincent

彼らの唯一作となった今作にはKevin HockingとBrian Rangottという2人の重要人物が関わ

っておりまして、メルボルンのダンスバンド「The ABC Showband」の旧メンバーであり、

自身のコーラス・グループ「The Kevin Hocking Singers」を指揮するコーラス・マスタ

ー、Kevin Hockingがヴォーカル・アレンジメントを。テレビ番組でミュージック・ディレ

クターやポップ・シンガー系アーティストのアレンジ、プロデュースを手掛けるBrian

Rangottが、オーケストラの総合指揮を担当しています。オーケストラが導入されていると

いうことで、彼らのサウンドはジャズをベースとした作りになっていて、コーラスに関して

もユニゾン・ハモりだけでなく、ジャズ・コーラス特有のヴォーカリーズからオープン・ハ

ーモニーまで取り入れており、多様なバリエーションを楽しめます。とは言え、選曲を見て

頂ければ御分かりの通りThe Cyrkle、The Beatles、Bobby Shermanやソフロ定番カバー

「Windy」など、Soft Rockファンには嬉しい楽曲を取り扱っており、ジャズ演奏とSoft

Rockサウンドが調度良くブレンドされた作風になっています。

アルバム内容

今作はA面7曲、B面6曲の全13曲の収録。ほとんどの曲が2分程と短めで、余計な間奏などが

ない分1曲1曲がとてもコンパクトにまとめられています。収録曲は全てカバー・ソングで固

められていてジャズ系スタンダードとSoft Rock系カバーが半々くらいです。以下、収録曲

になります。

Side-1

1 「Norwegian Wood~Mission Impossible」・・・Lennon McCartney / Schifrin

2 「Windy」・・・Friedman

3 「Come Back To Me」・・・Lerner / Lane

4 「Easy Come , Easy Go」・・・Keller / Hide / Brand

5 「Turn Down Day」・・・Keller / Bloom

6 「Wouldn’t It Be Loverly」・・・Lener / Loewe

7 「Holiday For Strings」・・・Rose / Gallop

Side-2

1 「Hey Jude」・・・Lennon / McCartney

2 「Step Inside Love」・・・Lennon / McCartney

3 「I’m Gonna Make You Love Me」・・・Gamble / Rose / Williams

4 「Son Of A Preacher Man」・・・Hurley / Wilikins

5 「Bluesette」・・・Thielemans

6 「Spinning Wheel」・・・Thomas




オープニングは、Alan Copelandですっかり有名になった「Norwegian Wood~Mission

Impossible」のメドレー。「Mission Impossible」に演奏・リズムに乗って「Norwegian

Wood」を歌うという構成ですが、初めて聴く方にはかなり衝撃的だと思います。内容的に

Alan Copelandヴァージョンの方が一枚上手だと思いますが、切れ味の良いリズム隊にの

どかなメロディというこのギャップから生まれるスリリングさはいつ聴いても色褪せないで

すね。続くThe Associationでお馴染みRuthann Friedman作の「Windy」は、ユニゾンとハ

モりを上手く使い分け、爽やかさMaxの好カバー。3曲目「Come Back To Me」は、アップ

・リフティングなジャズ・ナンバー。疾走するキャッチーなリズムに乗っかる、スウィング

・ハーモニーが極めて秀逸。タイトなコーラスでカバーしたThe Mike Sammes Singersに

も勝るとも劣らない出来。素晴らしいです。お次はBobby Shermanのカバー。個人的には

Mama Cassヴァージョンがベストですが、男女混声ハーモニーを活かした掛け合いなどが快

調で聴き応えあります。そしてソフロ・ナンバーが続きます。5曲目はThe Cyrkle「Turn

Down Day」。ソフトで美しいメロディを何とも流麗なコーラスで料理してくれます。中盤

のシャララ~♪辺りが最高!6曲目「Wouldn’t It Be Loverly」はソフロ感の高いアレンジで

爽やかカバー。A面ラストの「Holiday For Strings」は、バーバンク・サウンドを思わす可

愛らしいミュージカル系の1曲。なぜかこの曲だけ音量が小さめで、今作の中でも異質で浮い

た感じはありますが、もしかして別録なのでしょうか?そんなことはともかく、ハッピーで

甘美さに満ちたなサウンドや繊細なハーモニーがすこぶる濃厚で美しいです!

Harpers Bizarreが好きな方は必聴ですよ!

B面に移ります。冒頭はThe Beatlesの「Hey Jude」。前半部分で逆回転を思わすベース・

ラインとコーラスがサイケ風で、他では味わえないやや捻ったアレンジが特徴的です。続く

「Step Inside Love」は、PaulがCilla Blackのために書き下ろしたナンバーですよね。こち

らは涼し気なコーラスでカバー。そして定番カバー「I’m Gonna Make You Love Me」が続

きます。間奏の清涼感に満ちたパパパ・コーラスが聴き所。ライト・ファンクな「Son Of A

Preacher Man」はキャッチーな歌唱で聴かせ、ラスト「Spinning Wheel」ではファンキー

なジャズ・ロックで鮮やかで勢いのあるコーラスを魅せ、幕を閉じます。

ゆいさんのおススメ

今作のハイライトは「Bluesette」でしょう!ジャジーSoft Rock最高峰の大名曲と言っても

過言ではないくらいの絶品に仕上がっています。この曲は2分11秒と短いながらも、前奏の6

秒を過ぎてからはコーラスでカット・アウトするエンディングまで休むことなくコーラス・

ハーモニーで歌い続け、かなり濃厚で充実した内容になっています。前半は輪唱、間奏でヴ

ォーカリーズ、後半でユニゾンとハモりの使い分け、といった具合で男女混声コーラスの利

点を効果的に活かした展開が随所で見受けられます。後半のユニゾン&ハーモニーは他の曲

でも多様してましたが、前半の輪唱はこの曲のみ。「カエルの歌」をさらに高度に発展させ

た感じですね。女性陣が主旋律を歌い、そこに男性陣が後追いしていく訳ですが、歌詞も違

う上にテンポも遅らせたり合わせたりするので難易度は高め。そして圧巻なのが間奏のヴォ

ーカリーズ。本来であれば楽器のソロ・パートがあてがわれる所ですが輪唱が終わってから

間髪容れずにスキャットで疾走します。女性陣の「ダバダバダー」と男性陣の「ババッパラ

ー」という全く異なるフレーズから両者がタイピングバッチシで「ドゥユドゥユ~♪~ブル~

ゼット♪」と目まぐるしいハーモニーを展開していきます。この間、約10秒ですがコーラス

好きには天国行きと言える最高の瞬間なんです!分かってくれる人いるかなぁ~?とにかく

おススメなので是非一聴を!

最後に

「Jazz」と「Soft Rock」。この両者のサウンドがとても良い均衡を保っていることが、こ

のアルバム最大の売りであり、傑作盤たらしめている原因だと思います。全コーラス・ファ

ン問答無用のマスト・アイテムですので、是非探してみてください!