The Laurie Bower Singers & Johnny Cowell 『Bridge Over Troubled Waters』1977年作

The Laurie Bower Singersの中でも『Feelin’ Good』に次ぐレア度の高さで有名なこの盤。

Johnny Cowellとタッグを組み、さらにアレンジにRick WilkinsやJohnny Burt。

プロデューサーもJohnny Burtと、最高の布陣で制作された今作は、捨て曲なしの

素晴らしい名盤で、個人的な見立てでは『Feelin’ Good』よりさらにクオリティは

増していて、全ソフトロックファンにオススメしたい作品でもあります。

予定では今後、Johnny Cowellさんの関連作品を紹介しますので

まず、彼の経歴についてざっくりおさらいしておきましょう。

Johnny CowellことJohn Marwoodは、カナダのオンタリオ州出身の作曲家

トランペット奏者、アレンジャーとして知られてます。

音楽一家で育った彼は、幼少期からバンドでトランペットソロを演奏し始めます。

15歳の時にトロント交響楽団にソロのトランペット奏者として参加。

その後、第二次世界大戦中には英国海軍のバンドで演奏したり、ビクトリア交響楽団

やトロント交響楽団でも演奏し活躍してきました。

一方で、作曲家としても「It’s Gotta Be Love」「Walk Hand in Hand」や

「Our Winter Love」などを筆頭に多くの作品を作り、

カナダの最も成功したソングライターの1人に彼の名前を挙げられるほど。

なので、当時のカナダにおいては、私が注目しているThe Laurie Bower Singersよりも

彼の方が名高い名声を手にしており、今作の主役でもあるのです。

正式名称も表ジャケにはJohnny Cowell with The Laurie Bower Singers

裏ジャケではJohnny Cowell & The Laurie Bower Singersと最初に彼の名前が

記載されていて、あくまでLaurie~は彼の作品の良さを最大限に引き出すための

ゲスト出演みたいな役回りなのです。

面白いのが、Mal Thompsonによる裏ジャケの推薦文には、Johnny氏の光る作曲センス

について長々と書かれており、一番下の目立たない箇所に

「追伸(PS)。Laurie~の美しいコーラスは・・・」と数行程度の月並みな

儀礼的なほめ言葉が綴ってある。この後付け感が、いわゆる当時の

カナダ産の男女混声ハーモニーがいかに軽視されていた列記とした証拠でもあります。

さぁ、そろそろ内容についてお話したいのですが。その前に一つ!

今作はジャケ違いの2種類ありまして、規格品番自体が異なっています。

こちらの赤い方が「477-5127」。裏面には無地に最低限の曲名とクレジットのみが

書かれている。

ファーマーに立ち尽くすおっちゃんジャケ「477-25127」。

指揮を振っているJohnny氏の写真が2枚とMal Thompsonなる人物による解説など。

内容は同一なので大してジャケにこだわらなければ、入手は比較的楽だと思います。




 

肝心な内容に話をシフトしましょう。

Side-1、Side-2共に5曲ずつ計10曲収録されてまして、Johnny氏作曲が6曲。

カバーが2曲。タイトルのSimon & GarfunkelとThe Beach Boysの「God Only Knows」。

他はAubrey Tadman作曲の「One Child」とJohnny Burt作曲の「Gentle As A Breeze」。

全編通してThe Laurie Bower Singersの素晴らしい男女混声ハーモニーが聴けます。

クレジットにコーラス隊のメンバーの記載はされてないのですが、1977年と言えば

同年に発表されたLaurie~の『Looks Like We Made It』と同じ顔ぶれなのではないかと

勘繰っていまして、もしそうであるなら

女性コーラス=Judy Tate、Stephanie Taylor、Colina Phillips

男性コーラル=Laurie Bower、Cal Dodd、Billy Misener

この6人編成でしょう。

Laurie~のアルバムでよくお目にかかっていた単調なカントリーナンバーが大半を

占めるということもなく、夢心地な華やかなハーモニーを満喫できます。

注目のナンバーは、まず裏ジャケの推薦文でMal Thompsonが、

かなりゴリ押ししていたSide-1の2曲目「The City」。

しかもオルガンバーのウェブサイトにも「ソフトロックの黄金郷」と

絶賛されていてましたね。めくるめく展開が圧巻です。

個人的には、前半のアカペラハーモニーが美しい

タイトル曲の「Bridge Over Troubled Waters」や

キャッチーなメロディが陽気に弾む「Here Comes Another Day」や

実に新鮮なBB5のカバー「God Only Knows」などが好きですが、

やはり今作の最大のハイライトはJohnny Burt作曲の「Gentle As A Breeze」。

筆舌に尽くしがたい縦横無尽に駆け巡るハーモニーにはモロ鬼殺しの大名曲。

これはソフトロック史に長く語り継がれるのでないでしょうか。

こういった全く隙のない完璧な曲ってたまにあるんですよね~。

じゃ、皆さん今日も良い一日を!