The Johnny Mann Singers 『Mann Alive』LP 1968年作

米・メリーランド州出身のJohnny Mannは、作曲家、アレンジャー、指揮者、エンターテイ

ナーなどなど、多才なミュージシャンとして1950年代の中期頃から台頭し始めました。

Johnny Mannと言えば、やはりThe Johnny Mann Singers。彼らは、60年代の人気TVアニ

メ・シリーズであった「Linus The Lionhearted Cartoon」や「Alvin & The Chipmunks」

 

でヴォーカル・パフォーマンスを披露し、本国アメリカで彼らの名前が世間に知れ渡りま

した。しかし結成起源となると話は1955年頃に遡ります。当時のコメディ番組「The NBC

Comedy Hour」にJohnny Mannがディレクターとして起用され、それをきっかけにThe

      

Johnny Mann Singersを結成したと言われてます。初めのうちはJohnnie Mann Singers

と名乗ってまして、彼らの極初期のサウンドは専らJazz系のイージー・リスニングなコー

ラス・グループでした。往年のヒット曲を中心とした楽曲を、男女混声のハーモニーで

演奏しておりましたが、当時はこういったコーラス・グループが星の数ほど存在していて

その中でも特別卓越したコーラスを物にしている訳ではありませんでした。

例えば56年作『NIGHT』と、同じく米のJazz系コーラス・グループThe Hi-Lo’sの56年作

『On Hand』を聴き比べてみると、技術面だけでなく、やや時代錯誤を感じる面もありま

  

す。ただThe Johnny Mann Singersの凄いところは、その膨大な量に達するアルバムリリー

ス!1956年~1978年頃までの約20年間に、50枚近くのアルバムを発表してます。実際に

私も全てのアルバムを聴いたわけではないので、これをどの様に評価して良いものか困ると

ころではあります・・・… (○´ ^`)ンー?

と、前置きが長くなりましたけど、今作は多作な彼らの作品群の中でも、インテリア映えす

るジャケットと、Soft Rock的な選曲の良さでは随一を誇る内容なのです。一番の目玉とな

るのは、やはりRoger Nichols Trioのレア・シングル曲「Love Song Love Song」の絶品カ

バーでしょうか?他にもBurt BacharachやThe Association、Lulu、The Fleetwoodsなど

の有名な曲を取り扱ったりと、これぞSunshine Popと言えるアルバムです。

ということで、カバーしている曲などを中心に紹介していこうかと思います。

レアな英国盤

今回紹介する盤は、本国アメリカでの先行リリースとなった67年作『Don’t Look Back』の

タイトルとジャケを差し替えた英国プレス盤です。収録曲は全く同じですが、こちらの英国

盤は流通量が少ないために非常にレアな1枚の様です。ジャケに拘らなければ比較的入手しや

すいアルバムだと思います。

67年作『Don’t Look Back』



アルバム内容

今作は、片面6曲ずつの全12曲の収録になってます。曲の長さは、だいたい2分前後とこの年

代では妥当なところです。サウンドに関しては、初期のJazzサウンドがキレイさっぱり除か

れています。「~Singers」と名の付く同期のコーラス・グループと比較すると、フラワー

系のSoft Rockを彷彿させるサウンドで、コーラスよりも、ソフトで押しが弱く、胸の付く

メロディや時折魅せるアレンジの妙に魅力があるというタイプ。どちらと言えば、Vanda誌

の佐野さんが喜びそうなサウンドかなぁ、と思ってます。では、選曲を見てみましょう!

Side-1

1 「Don’t Look Back」・・・W.Robinson / R.White

2 「Never My Love」・・・D.Addrisi

3 「Rainbows」・・・L.Pockriss / H.Hackady

4 「What The World Needs Now Is Love」・・・B.Bacharach / H.David

5 「Land Of Love」・・・B.Raleigh / C.Albertine

6 「Come Softly To Me」・・・Troxel / Christopher / Ellis

Side-2

1 「To Sir,With Love」・・・D.Black / M.London

2 「Instant Happy」・・・A.Tucker / J.Jones

3 「Windy」・・・R.Friedman

4 「The Singing Bird Will Come」・・・A.Tucker / C.Wakefield

5 「Love Song Love Song」・・・L.Marks / D.Tibbles

6 「Love Of The Common People」・・・J.Hurley / R.Wilkins

幕開けはSoft Rockなアレンジが冴え渡った「Don’t Look Back」。アップテンポなリズム

も冒頭には最適ですね。続くThe Associationの「Never My Love」や「Windy」、The

Fleetwoods「Come Softly To Me」Lulu「To Sir,With Love」はソフトで爽やかなコーラ

スが清々しく、Soft Rock度が高めなアレンジです。

ワルツ・ジャズの名曲Bacharach作の「What The World Needs Now Is Love」も後半の

コーラス・アレンジが華やか。「Rainbows」では、パパパ・コーラスが登場し、折り重

なるハーモニーが華麗で美しいです。特に間奏の一糸乱れぬパッセージ・コーラスが最高。

そして注目したいのはバロック音楽をモチーフにした「Land Of Love」。個人的にお気に入

りの1曲です。ソフトな風合いとユニゾン、さらに男女掛け合いの「ルルルー」が最高に気持

ち良く、かなりおススメ。

そして一番のハイライトは何と言っても「Love Song Love Song」でしょう!

跳ねまくるリズムとブラス・セクション、間奏の分厚いコーラスに、高揚感あるメロデ

ィ・・・どれをとっても一級品に仕上がっている名曲ですね。後半の盛り上がりも素晴

らしいです。

最後に

「Love Song Love Song」の内容が良く、この1曲で全て持っていかれた感じはありますが

ソフロ定番のカバーや、隠れた名曲とも言える「Land Of Love」「Rainbows」などもあり

ますので、Soft Rockファンなら絶対聴いてほしい1枚です。