Sonlight 『S.T.』LP 1973年作

同名グループが他にも存在してますが、こちらのSonlightは菊池桃子のバックバンドを務め

、Fusion~AOR界隈で人気を博したKoinoniaの前身グループ。名前から推測されるよう

にCCM系のグループで、4人メンバーの内3人(Koinonia)が在籍していた白人・黒人混合のフ

ァンク・ソウルグループThird Avenue Blues Bandがその母体。70年にリリースされた唯一

   

作『Fantastic』がフリーソウルファンの人気盤として知られてますが、こちらSonlightでは

ガラリと印象の異なるサウンドを披露しております。全曲の作詞作曲からアレンジ、ホー

ン・セクションを含めた全ての演奏をメンバーが担当しており、前バンド同様に制作に対す

る意欲の高さが感じられます。

作曲・リードヴォーカルを務める実質リーダー格のHadley HockensmithとHarlan Rogers

が実権を握っており、1曲例外はあるもののそれぞれ自分が書いた曲でリード・ヴォーカルを

取っています。優しく温かいSteve Eaton風ヴォーカルのHarlan Rogersは、ロック~カン

トリー・ソングを、甘口のハイトーン・ヴォーカリストHadley Hockensmithは軽快でメロ

ディアスなポップ・ソングをと、サウンドは大きく分けて2分化されています。辛いもの食べ

た後に甘いもの食べたくなったり、その反対もある様に、両者の個性が交互に配置された構

成なっており、リスナーに飽きさせない工夫などもされてます。

もう皆さんは私の好みも十分によく分かってると思いますが、今作の聴き所となるのは

Hadley Hockensmithさんの楽曲です。特に冒頭に収録された極上Soft Rockナンバー

「The Day Of Salvation」が秀逸過ぎて他の曲があまり目立たなくなる程。巷でこの曲が話

題になったおかげで大分知名度は上がりましたけども、この1曲だけが一人歩きしてしまった

節もありますので、今回は他の曲も含め紹介させて頂きます。

アルバム内容

Side-1

1 「The Day Of Salvation」・・・Hockensmith

2 「Freedom Bells」・・・Rogers

3 「The Way」・・・Hockensmith

4 「Pathways」・・・Rogers

5 「Standing In The Liberty」・・・Rogers

Side-2

1 「I Saw His Face」・・・Hockensmith

2 「The Son」・・・Hockensmith

3 「Walk In The Spirit」・・・Rogers

4 「In Remembrance」・・・Hockensmith

5 「The Truth Of Salvation」・・・Rogers

メンバー

Harlan Rogers : Organ、Piano、Lead Vocals

Fletch Wiley : Trumpet、Flugelhorn、Valve Trombone、Flute

Bill Maxwell : Percussion

Hadley Hockensmith : Electric Bass、Guitars、Lead Vocals




A面冒頭を飾るのは、今作最大のハイライト「The Day Of Salvation」。ソフト&キャッチ

ーなメロディ、甘いヴォーカル、爽やかなコーラスなどSoft Rockにおける重要な要素がギ

ュウギュウに詰め込まれている上に、適格なスピード感と絶妙なタイミングでのリズム・チ

ェンジ、そしてそれに付随するコーラス・アレンジの上手さなど、正に模範的な正統派

Soft Rockナンバーと呼べる大名曲。終始美しく鳴り響くフルートやオルガンの音色が、ソ

フトな雰囲気作りに一役を買っていて、間奏でのソロ・パートにも注目したいところ。ゆい

さん激推しの1曲です。

2曲目「Freedom Bells」と4曲目「Pathways」は、Harlan Rogersによるカントリー・バ

ラード。甘過ぎない爽やかなメロディが良く、コーラスもしっかりキマッているのでWest

Coast Rockファンなら気に入ると思います。3曲目「The Way」は、Hadleyさん作曲のソ

フト・タッチなポップ・ソングです。エネルギッシュなギターが鳴り響く出だしがRockeyで

すが、歌いだしと同時に甘くポップなサウンドに。大サビでの甘~い展開にはヤラレます。

A面ラストの「Standing In The Liberty」は、カントリー・ポップな1曲。ジーザス系の歌詞

さえ気にならなければ、こちらもWest Coast Rock好きにおススメ。

B面に移ります。冒頭「I Saw His Face」は「The Day Of ~」と同路線のSoft Rockナンバ

ー。この曲でもメロディ・メイカーぶりを発揮してますね。メロディ重視の甘くソフトなサ

ウンドとフルート入りの清々しさには得も言われぬ幸福感に包まれます。終盤の洒落たリズ

ム・チェンジは流石です。続く「The Son」はHadleyさんが作曲してHarlanさんが歌うスロ

ー・バラード。情感豊かなメロディが魅力的で、Harlanさんの温もりヴォイスも絶好調。彼

が歌う曲ではこれが一番でしょう。3曲目「Walk In The Spirit」は渋いロック・ナンバー。

ファズを効かせたギターやファンキーなブラス・セクションが味わい深いです。

そして今作もう一つの目玉となるのが4曲目の「In Remembrance」。甘く切ないメロー・

バラード。極甘なメロディも素晴らしいですが、丁寧に歌うHadleyさんのスウィート・ヴォ

イスに思わずクラクラ((◎□◎ ))・・最高です。

アルバムラストを飾るのはロック・ナンバーの「The Truth Of Salvation」。後半はジャ

ズ・ロックな展開になり、長ーいギターソロが始まります。このグルーヴ感と巧みな演奏は

素晴らしいですが、Fletch Wileyさんの出番がなくてちょっと可哀想・・・。

最後に

本盤がリリースされた同年にメンバー全員でレーベル・メイトでもあるCCM系のゴスペル・

バンドAndraé Crouch & The Disciplesのライブでバック・ミュージシャンとして演奏を務

めます。それ以降Fletch Wileyを除く3名は、Koinonia結成までKelly Willard、Amy

Holland、David Gates、Bruce Hibbardなどの大物ミュージシャンのバック・バンドをメイ

ンに活動し、後に名うてのセッション・ミュージシャンと言われるまでに成長。その辺は洋

楽好きの皆さんなら良く知るところでしょう。

さて、今作の視聴は如何でしたか?海外では比較的入手し易いアルバムなので視聴で気に入

った方はGetしてみましょう。特にHadley Hockensmithさんの作曲&リードを取った4曲は

Soft Rockファン必聴ですよ!