Parttime 『In Time』LP 1981年作

オランダの11人編成のバンド「Parttime」の1981年の傑作盤。

グループ名は、メンバーが元々時間制で働く非常勤(part-time)の

セッションプレイヤー達だからだそうで

いわゆるTotoの様な実力者が集ったセッショングループ・バンドと言えます。

自主制作盤のため一部のAORファンから熱狂的に支持されていたものの

2013年にインディーレーベルの「プロダクション・デシネ」よりCD化されてから

一般的にも認知される様になります。それでも、某レコードショップでの

AORセールとかで、たまにこの盤を見かけると高額で売られてます。

未だにコアなファンには人気盤のようですね。

まず表ジャケを見るだけで、そのセンスの良さが見いだせます。

しかし青い空と、青い海の景観がこんなに美しく見えるのは、

それらを照らす太陽があるからです。今作における太陽、つまり

腕利きのプレイヤー達に光を灯すのは耳に残るキャッチーで優しいメロディです。

内容はジャズをベースとしながらも、とてもバラエティに富んでいて

ハワイアンメローからボサノヴァからジャズ、レゲエ風なリズムや

ラテン・ブラジリアン系、フリーソウル系の曲も。

一曲一曲のクオリティの高さもさることながら、多彩なサウンドに挑戦して

リスナーに飽きさせない工夫を凝らしたのも人気の秘訣かもしれません。

その洗練された音空間からAOR向けの推薦盤として紹介されてますが

今回はSoft Rockな視点から、私がオススメする2曲をご紹介します。

と、その前に。皆さん前奏のない曲は好きですか?

例えばPhil Keaggyの「Love Divine」やThe Raspberriesの「I Saw The Light」「Let’s Pretend」

Michael Gatley「Will You Be Here」Paulの「The Other Me」「She’s My Baby」「Bluebird」

Alessi「I Was So Sure」「Oh, Lori」Emitt Rhodes「Pardon Me」などなど

挙げたらキリがないですね。いきなりの歌いだしでドキッとして

一気に曲に引き付けられる、その感覚が私は特に好きです。

今回のオススメの2曲も前奏のない、素敵な曲です。

まずは、B面1曲目ボサタッチの佳曲「It Hurts」。

鮮やかなメロディに、甘い歌声、爽快なコーラス、そしてソフトなサウンド。

ソフトロックの王道を行くスタイルは圧巻です。




もう一曲「Part Of Your Past」。

のっけから一気に聴くものを甘い世界へと誘い出す強力なインパクトのバラード。

思わず溜息が出るほどの美しいメランコリックな極上メロディには脱帽です。

いや、本当に素晴らしいと思います。リード・ヴォーカルRonald Jelsmaの

とろける様な優しい歌声が心に沁みますね。是非多くの人に知ってもらいたい名曲です。

さて、如何でしたか?卓越したセッションミュージシャンによるサウンドは

意外にも演奏よりメロディの方が際立って印象に残る内容でした。

地味ですが、名曲満載の名作だと思います。