Mike Scott 『Arizona Light』LP 1978年作

イリノイ州シカゴ出身のSSW、Mike Scottの自主制作盤による唯一作。「全曲最高!」とい

う大方の意見に強く賛同するおススメ盤です。制作に2年近くも掛かっているからなのか、内

容は濃く粒揃いの名盤に仕上がってます。芸術的に美しい朝焼けの表ジャケと、自主レーベ

ル「Mornin’ Breeze」という名称から容易に想像できるメロー・ブリージンなサウンドは、

AORよりはむしろFolk~SSW、West Coast辺りが好きな人に好まれそうです。

Mikeの懐深いややスモーキーな歌声は、より楽曲に味わいを持たせ、派手過ぎず且つ軽すぎ

ない円熟味を含んだ大人な演奏が、実に奥行きのあるサウンドを生み出しています。個人的

には、魂を揺さぶる「音」以外のものを強く感じるスピリチュアル作品と捉えていて、これ

から始めて聴く方は第6感にもアンテナを張って傾聴して頂きたいです。

アルバム内容

今作は、片面5曲ずつの全10曲の収録です。全曲Mike Scottによるオリジナル・ナンバー。

その全てが充実した内容になっていて、名盤たらしめているのはそメロディの良さとMikeの

歌唱にあると思います。メロディは甘くなり過ぎず、重くなり過ぎず、クールで爽やか。

そして歌声は、ソウルフルな曲では低音の渋い魅力を味わえ、アイランド・メローな曲には

ハイトーンの爽やかな声で表現しています。そこに安定感ある演奏が加わることで、楽曲自

体のクオリティが増してくる訳です。以下、収録曲になります。

Side-A

1 「Get It Off Your Mind」

2 「Forgotten Lady」

3 「I Know The Reason」

4 「Say Whatever Happened」

5 「You Are My Song」

Side-B

1 「Arizona Light」

2 「Little One」

3 「Dorothy’s Song」

4 「Ocean Breeze」

5 「Powder Blue」




幾つか気になる曲をご紹介します。冒頭のソウルフルな「Get It Off Your Mind」は、堅い

ギターの音色が印象的な1曲。ラテン・フレーバーな16ビートも良いですが、後半のギター

が圧巻です。続く「Forgotten Lady」は暗く美しいメロディで表現するセンチメンタルなナ

ンバー。Mikeの渋いヴォーカルが実に味わい深い。4曲目「Say Whatever Happened」

は、The Youngbloodsを意識したのか(?)歌い方などJesse Colin Young風です。Mikeの

堂々とした歌いっぷりも聴き応えあります。

B面に入り、タイトル曲「Arizona Light」は落ち着きのあるブリージン・ナンバー。表ジャ

ケの壮大なイメージを想起させる1曲。シンプルな作りですが、美しい佳曲。4曲目「Ocean

Breeze」はボサノヴァ調のアイランド・メローな1曲。こちらもJesse Colin Young風でプ

リAOR好きにもおススメ。

ゆいさんのおススメ

Soft Rockファンに強くおススメしたいのは下記の2曲。

まず、南国の暖かさを感じるボサノヴァ調の「Little One」。リズムを強調しないボサノヴ

ァに、まったりと歌うMikeの歌声が絶妙に絡み合い、アイランド・メローな世界に包まれ

ます。大した起伏はないですが、この悠々と流れるメローな空気感は癒しそのもの。正に

南国Soft Rockと言える1曲です。

そして続く3曲目「Dorothy’s Song」も、アイランド・メローな1曲。ピアノ伴奏による静か

な出だしから始まるこの曲は、Mikeの澄み切ったハイトーン・ヴォイスとWest Coast風の

爽やかなメロディがとても印象的です。高みに駆け上がっていく爽快感や、胸弾むメロディ

ックな旋律が実にフレッシュで心地良い。間奏の転がるピアノもお洒落で可愛らしく、かな

り一押しな1曲。Dan DorgelbergやLenny LeblancなどのWest Coast好きにはハマってし

まうと思います。

最後に

ソウルフルなA面と南国風なB面。どちらも素敵な内容です。少々レアですけど、苦労して手

に入れる価値は十分にあると思います。ではでは。