Magic Bus 『Finders Keepers / Down In Mexico』EP 1971年作

Tony Riversの変名名義によるシングル盤。

A面の「Finders Keepers 」はSalt Water Taffyの大名曲カバー。

こちらはUKのRPM Recordsの「Tony Rivers Collection vol.3 ~ Harmony Soul」と

江村幸紀氏のEM Recordsからリリースされた

「Harmony Works In The Studios 1971-1993」に収録されておりますので、

多くのソフトロックファンの耳には大分馴染み深い楽曲でしょう。




今回改めて聴きなおしてみて、

やはり彼の大胆なアレンジや重厚なハーモニーワークには圧倒させられます。

しかしながら、私はそれ以上に当時60年代後期~70年初期にかけての

ロック音楽史の激動紀に、特にKing CrimsonやYes、Led Zeppelinなどの

様々なサウンドが横行していたミュージックシーンにおいて、

時代の大きな潮流やトレンドなど歯牙にもかけず

60年代のOld Fashionなポップスという純粋に自分の愛した音楽を追い求め

そしてそれを形として世に残したこと。

こういったことが大いに称賛されるべきではないかと思います。

Tony Riversに限ったことではないのですが

一見軽視されがちなポップスの魅力を存分に楽しみ、そこにアイデアに満ちた

オリジナリティを昇華していくスタイルはSoft Rock系アーティストに良く見受けられます。

原曲のSalt Water Taffyにしても、一体どこの世界にこんな時代にバブルガムポップを

聴く輩がいるのか!とお思いになられる方々も多いでしょう。しかし聴いてみると

洗練されたお洒落なアレンジなど、よく練られた楽曲クオリティにが随所に

散りばめられ、秀逸な完成度にぐうの音も出ないでしょう。

さてさて、今回スポットを当てたいのはCD化も見送られた貴重なB面の一曲!

P.Sizzyという方の作曲。ヴォーカル、ハーモニーアレンジ、プロデュースは

勿論Tony Riversによるもの。ハッピーな胸キュンポップが大変心地よく、

1分と2分16秒辺りのBメロは絶妙すぎて逆に憎らしい程キマッてます。

間奏には何とHarmony Grassの名曲「My Little Girl」のギターフレーズが登場!

自家薬籠中と言える彼のコーラス・ワークは言うまでもありませんが

曲の中盤からはBB5とは違う解釈を見せたTony氏によるスキャット・コーラスは

さすがとしか言えない素晴らしさです。

正直、何故CD化に至らなかったのか理解できないほど素敵な作品に仕上がっております。

粋なハーモニー・コーラス、人懐っこいメロディが好きな方にお勧めです。