Lisa Hartman 『S.T.』LP 1976年作

米・テキサス州ヒューストン出身の女性シンガー兼女優Lisa Hartman Blackによる1st

Album。プロデューサーにJeff Barry、演奏にはDavid Foster、Lee Ritenour、Nino

Tempoらの大物が名を連ね参加しており、特にAORファンには必須アイテムとなっておりま

   

すが、内容の方はゴスペル風のコーラスを含んだ、ややカントリー寄りの素朴なサウンドに

ポップなメロディを散りばめた感じで、カチカチしたAOR系を期待していると肩透かしを食

らってしまいます。メインとなるのは、やはり今作のヒロインLisa Hartmanの伸びのあるク

ールな歌声です。例えるならPeggy Liptonの『S.T.』とGoldie Hawnの『Goldie』を足して

2で割り、さらにポップと洗練さを増した感じ、と言えば分かり易いでしょうか?いや、余計

分かりにくくなってしまったかもしれませんね・・・ (∀`*ゞ)テヘッ …

 

本日は、Lisa Hartmanの経歴を振り返りつつ彼女の歌声を中心に紹介していきます。下記に

ゆいさんおススメの曲も視聴できますので、もし時間があれば聴いていってください。

Lisa Hartmanについて

1956年6月1日生まれの彼女は、70年代中期頃に知名度の低いマイナーな番組で出演後、

奥さまは魔女』のスピンオフ作品で3代目Tabitha Stephens役に見事抜擢され、

  

1977-78年の1年間務めます。愛嬌ある笑顔が幅広い世代の視聴者から人気を集め、その影

響で複数の番組にゲスト出演をしていました。その頃には並行して2nd Albumの制作も進め

られ、1979年に『Hold On』をリリース。次いで出演したのは、1981年「哀愁の花びら

  

(Valley of the Dolls)」でのNeely O’Hara役。さらに翌年には歌唱力を買われて「Knots

Landing」という連ドラでCiji DunneというRock Singer役に選ばれます。この役で、実際

に歌った曲を元に3rd Album『Letterock』が制作され1982年にリリース。すっかり売れっ

  

子女優になった彼女は、その後も引っ張りだこで数多くの番組に出演をします。残念なが

ら、歌手としては4枚のSolo Albumを発表するも商業的には成功することはありませんでし

たが、プライベートでは1991年にNew Jersey出身のカントリー系SSWのClint Blackと結婚

し、夫婦揃ってステージで歌ったりと二足わらじの活動は続けておりました。現在は

2001年に出生した一人娘Lily Pearl Blackと3人でテネシー州ナッシュビルに住んでいるそう

です。

  

参加ミュージシャン

一応Soft Rock系のブログとして、Nino Tempoの参加は見逃せないですね。さらに、

Jeff Barryがプロデュースや作曲だけでなく、パーカッションでも参加しています。

何とも贅沢な好待遇ですね~ヒューヒュー♪ヾ(^ε^ゝ)“

Backing Vocals・・・Dene Hofheinz Julia Tillman Lisa Hartman

Maxine Willard Polly Cutter

Drums・・・Earl Palmer Ed Greene Mike Baird

Guitar・・・Art Munson Ben Benay Lee Ritenour

Keyboards・・・Clarence McDonald David Foster Tom Hensley

Marimba、Bells・・・Bradley Burg

Percussion・・・Jeff Barry

Saxophone・・・Nino Tempo



アルバム内容

今作は両面5曲ずつの全10曲の収録です。作曲はJeff Barryが4曲(共作含む)、他は全てDene

HofheinsとBradley Burgが作曲しています(Lisaの共作が1曲)。この2人はコーラスや演奏で

も参加していますが、どうやら無名の方々の様です。知っている方がいましたら、情報提供

お願いします。「Da Doo Ron Ron」や「Be My Baby」「Leader of the Pack」「Hanky

Panky」など、Ellie Greenwichとの作曲コンビで、60年代のアメリカン・ポップスに花を

添えたJeff Barryの助言やサポートがあったのかもしれませんが、彼らの作曲センスには光

るものがあります。全体的にはバラード・ナンバーが多く、カントリー・タッチの曲もあり

ますが、特にポップ系の曲は覚えやすいフレーズや鮮やかなメロディが印象的で、内容・出

来共に水準以上です。以下収録曲になります。作曲者も記載しましたのでご参照ください。

Side-1

1 「Somebody Been Lovin’ Her」・・・Bradley Burg / Dene Hofheinz

2 「Pickin’ Up The Pieces」・・・Dene Hofheinz / Jeff Barry

3 「Room Without A Door」・・・Jeff Barry

4 「Right As Rain」・・・Bradley Burg / Dene Hofheinz

5 「Kentucky Rainbows」・・・Bradley Burg / Dene Hofheinz

Side-2

1 「Saying Hello, Saying I Love You, Saying Goodbye」・・・Burg / Hofheinz /Barry

2 「Seeing Is Believing」・・・Bradley Burg / Dene Hofheinz

3 「So Glad I Found You」・・・Bradley Burg / Dene Hofheinz

4 「He Ain’t You」・・・Burg / Hofheinz / Barry / Hartman

5 「The Ice Cream Man」・・・Bradley Burg / Dene Hofheinz

Lisaの歌声の魅力は、まずその声質にあります。甘めながらも懐は深く、しかも良く伸びる

んです。この特徴が良く分かるのがSide-1の4曲目「Right As Rain」。音域の広い曲で起伏

が激しいメロディですが、地声の高音部からファルセットへの行き来が流れるように美し

く、難易度の高い曲もさらりと歌いこなしています。是非視聴で確認してみてください。

さらにおススメしたいのは冒頭の「Somebody Been Lovin’ Her」。RockとPopが見事に絡

み合った正統派のMORサウンド。Lisaのクールな歌声に合わせたゴスペル風の女性コーラス

も実に心地良く、Soft Rockファンにもおススメです。70年代中期特有のサウンドがプン

プンしていて(分かる人だけ分かって!)、個人的には最高にド壺な1曲。

他にもポップ系の「So Glad I Found You」や、Lisaの甘い歌声が堪能できるミディアム・

バラード「Seeing Is Believing」、そしてJeff Barry作「He Ain’t You」や「Room

Without A Door」のバラード・ナンバーなど、聴き所満載のアルバム内容となっています。

2作目以降はガラッとイメージ・チェンジを図り、サウンドは大衆受けしやすい産業ロック

に。歌声もBonnie Tyler寄りのハスキーヴォイスになってしまいます。ということで、サウ

ンドも歌声も容姿も全て含め、瑞々しいLisa Hartmanを堪能するにはこの1st Albumが最適

なんです。視聴で気になった方は購入をおススメします。

ちなみに2011年にCD化された今作には、3曲のボーナス・トラックが収録されております。

1978年にリリースされたLP未収シングル「Nobody Likes Lovin’ More Than I Do / 100

Different Ways」の両面曲(CDではタイトルがNobody→No Oneになってます)と、『奥さ

まは魔女』で演じたTabitha Stephensのテーマ・ソング「It Could Be Magic」です。シン

グルの2曲はLinda Ronstadt風のMORナンバー。Tabithaのテーマは、番組のキャラクター

紹介シーンに挿入される1分にも満たない短いジングルものでしたが、Jeff Barry作曲の

キャッチーなポップ・ソングで、恐らくこのCDでしか聴けない曲だと思いますので(多分)

、ファンなら要チェックですね。

最後に

「天は二物を与えず」と言いますが、彼女は容姿端麗で歌唱力も十分に備わっております。

しかしながら、女優業が順調に進み、人気もウナギ上りに差し掛かった辺りの80年前後に

さらに外見を良くしようと、以前から彼女が劣等感を抱いていた鼻の整形をしていまいま

す。ナチュラルな方がチャーミングで可愛らしく思うのですが・・・。

下記Befor & After写真。鼻筋が随分とスッキリしましたね。