Dream Express 『Dreaming』LP 1976年作

朝起きた時にどんな夢だったかを思い出すようにしています。しばらく時間が経つと忘れて

しまうんですよね。夢は潜在意識が投影されているので、自分の願望や不安などが色々な形

で表れます。抽象的だったり具体的だったり、全く意味不明だったりしますが、たまに自己

分析に役立つ発見があったりするので覚えていられる限りノートにメモしたりしてます。

今回紹介するグループと、そのタイトルには「夢(Dream)」という言葉が入ってます。この

アルバムは見開きジャケの仕様になってまして、外側を広げてみると夢で見る様な理路整然

とした雰囲気。瓶の中から何やら白い煙(夢?)がモクモクと上空へ浮かび、その中にメンバ

ー4人が包まれています。う~ん、これは一体どう解釈したら良いのでしょう??いつもこの

ジャケを見るたびに考えてますが、さっぱり⊂(´ヘ`)つ.

夢と同じで読み解くには知識が必要みたいですね。分かる方いらっしゃいましたら下記コメ

ントからお願いします!

さて、Dream Expressについては恐らくHearts of SoulやShampoo経由でご存知の方も多

いと思いますが、いわゆるポップ系ソウル・グループとかファンキー・ソフロというイメー

ジで概ね当たりで、Soft Rock直系とはとても言い難いサウンド。ただ、今作には1曲だけ

Tony Macaulay風のとびきりキャッチーな1曲が収録されていますのでご紹介させて頂きま

す。ついでに、初めて知る方のためにも、このグループがどのようにして結成に至ったかな

ども含め解説していきます。

Dream Expressの結成までとその後の活動について

   

ベルギー出身のSSW、Luc Smetsは若い頃にアコーディオンに慣れ親しみ、演奏家を夢見て

音楽院を卒業。その後1966年にポップ・グループThe Pebbles(Adrian Bakerが在籍してい

た英国産The Pebblesとは別グループ)に参加してキーボード、作曲、リード・ヴォーカルと

マルチな活躍で、ヒットした「Seven Horses In The Sky」にも大貢献。ドラムを担当して

いたMarcel De Cauwerと意気投合し、The New InspirationのギタリストYves De Vriendt

を引き連れて、3人組のジャズ・ロック系プログレ・バンドShampooを結成。まだ2人共

  

The Pebblesに籍を置いてましたが、ほどなくして正式に脱退。Shampooの1st Albumとな

った1972年作『Volume One』は、ほぼインストのみのアルバム。ですが冒頭に収録された

Brother」では、The Peeblesゆずりのパンチの効いたコーラスとThe BeatlesのSgt.期を

思わす、サイケ・ポップの名曲を残してます。1973年のシングル『All Of Us / Today Is

The First Day』では、インドの血を引くオランダ・ハルデルウェイク出身の姉妹トリオ

The Hearts of Soulがヴォーカルで参加します。Bianca、Stella、Patriciaの3人は1968年

~1969年の期間にDusty Springfieldのバッキング・ヴォーカルを務めておりました。並行

して制作された1969年作のデヴュー・シングル『What A Price / Realize It’s True』はとり

  

わけ内容が良く、LP未収なので要チェック。Doo Wop調のA面も悪くはないですが、

Dave Pike作のB面は瑞々しいウィスパー・ヴォイスについついうっとりしてしまうボッサ・

メローが絶品の名曲。気になる方は是非チェックしてみてください!

で、Shampooのシングルに参加したThe Hearts of Soulは、彼らと気が合ったのかタッグを

組み、翌年の74年に両者共に2nd Albumとなる『We Love The Policeman』をリリース。

  

こちらはファンキー・ソウルな作風でレア・グルーヴ好きには人気の高い1枚となりました

(アルバム内では異色を放つソウル・ポップな「Yesterday You」が、個人的にはベスト・テ

イク)。そこからShampooのYvesとMarcerが抜け、残ったLucと3人姉妹はサウンド志向を

ソウル・ポップへと移行して(後にディスコ寄りに)、名義もDream Expressと改めて再スタ

ート切ります。その第1作目となったのが、この『Dreaming』なんです。その後Luc Smets

はBiancaと結婚。嫉妬(?)が原因かは分かりませんが、Patricia Maessenは脱退してバッキ

ング・ヴォーカリストとして活動。残った3名でまたグループ名をLBSと変えて、さらにディ

スコ色が強まりLiquid Goldに近いサウンドになります。LBSの解散後は全員ソロで活動。

  

Lucに至っては楽曲提供、アレンジャー、プロデューサーとマルチ・ミュージシャンとして

活躍します。大分ざっっくりとした説明になってしまいましたが、まとめるとこんな感じ。

ベルギー人のLuc Smetsとオランダ人の女性3人が組んだソウル系ポップ・グループだと覚

えておけば問題にないでしょう。



アルバム内容

今作は両面6曲ずつの全12曲収録されてます。Luc Smetsが作曲した8曲はどれも内容が良

く、作曲家としての才能を遺憾なく発揮されてます。彼は基本コーラスのみの参加ですが、

たまにリードを取ることもあります。しかしほとんどはThe Hearts Of Soulの3人がメイン

にヴォーカルを担当。サウンドについては、Soft Rockと言うにはSoulfulで、ソウル・ポッ

プと言うにはグルーヴィー過ぎる、そしてファンク・ソウルと言うにはポップ志向が強

い・・・。正直どんな方におススメして良いか判断に苦しみますが、ゆいさんの様にあまり

好き嫌いしない方でしたら、アルバム内に自分の好きな部分を見つけて楽しめる、そんな作

品です。Soft Rockファンにアピールできる楽曲もチラホラあり、ファンキーな曲の中にも

濃厚なハーモニーと甘いメロディに包まれる瞬間があったりします。本日のMix動画もそこ

ら辺を中心に、いわゆるソフロ目線で作成しましたので聴いて頂ければと思います。ポップ

系のディスコ・サウンドが色濃くなっていく2nd以降のAlbumと比較すれば、多種雑多な要

素が上手くブレンドされた今作は、傑作盤と呼べるかもしれません。

何はともあれ、Soft Rockファンが楽しむにはこの1st Albumが打って付け。気になる方は下

記の視聴動画でお試しあれ!!

Side-1

1 「Dream Express」・・・Mets

2 「I Can’t Take It 」・・・Mets

3 「Never Go Back」・・・Mets / Ambach

4 「The Misfit 」・・・Mets-E. Franssen / Richards

5 「Can’t See You」・・・Mets / Richards

6 「It Takes Two」・・・W. Stevenson / S. Moy

Side-2

1 「Hold It」・・・Jones

2 「This Place Is Too Hot」・・・Mets / Richards

3 「Dear John」・・・S. Tokura / E.D. Zoghby

4 「Another Day-Off」・・・Mets

5 「Loves Spell」・・・Mets / Richards

6 「Send Me The Pillow」・・・Hocklin

ゆいさんのおススメ

アルバムのラストを飾る「Send Me The Pillow」は、Polly Brownを彷彿させるキャッチー

なポップ・ソング。甘く可愛らしいメロディにヤラレます。Pickettywitch好きは必聴!

最後に

今作は、タイトルとジャケを変えて英国でもリリースされました。内容は同じですが、こち

らもベルギー盤と同じく夢で見る様な理解不能で不思議なジャケット。一体何を表現したか

ったのでしょうか?