Dominic Frontiere 『On Any Sunday』LP 1971年作

Dominic Carmen Frontiereは、米・コネチカット州ニューヘブン出身の作曲家、アレンジ

ャー、そしてジャズ系のアコーディオン奏者として知られるミュージシャン。音楽一家で育

った彼は幼い頃から色々な楽器に興味を持ちます。それがきっかけで1940年代後半から50年

代初頭にかけてビッグバンドでアコーディオン奏者として活動。その後、ロサンゼルスに移

  

住して総合州立大学UCLAに入学し、ついには「20th Century Fox」で音楽ディレクターに

任命されます。それ以降はテレビや映画を中心としたディレクター業に精を出し、数多くの

楽曲・サントラを手掛けていきます。そんな彼が関わった作品の中でも、絶対見逃せないの

が1971年に公開された映画『栄光のライダー(On Any Sunday)』。こちらは、全米で開

  

催されているオートバイレースや参加しているライダー達の日常を描いたドキュメンタリー

映画です。2人の青年が最高の波を求めて世界を回るドキュメンタリー『The Endless

Summer』で有名なBruce Brownが監督を務めており、さらにオートバイ競技「モトクロ

  

ス」を趣味にしていた俳優Steve McQueenも出演したりと、何かと話題の作品。そのサント

ラ盤に当たるのが今作なのです。迫力のあるドラム・ブレイクや疾走感溢れるキラー・ファ

ンクなどのフロア・ユーストな楽曲が収録されている関係で、DJ向きな1枚として紹介され

ることもありますが、本日はSoft Rockな楽曲に焦点を当てて紹介したいと思います。

参加ミュージシャン

演奏

Larry Bunker : Drums

Email Richards : Percussion

Tommy Tedesco : Guitar

Dennis Budimer : Guitar

Carole Kaye : Guitar

Tommy Morgan : Harmonica

Mike Melvoin : Organ , Piano

Pete Candoli : Trumpet

Conte Candoli : Trumpet

Ruddy Childers : Trumpet

Dick Nash : Trombone

Tom Scott : Flute , Tenor , Piccolo

Rocksichord : Dominic Frontiere

コーラス隊

Sara Jane Kane , Jackie Ward , Sally Stevens

John Bahler , Ron Hicklin , Gene Moreford

注目すべきは、まずThe Love GenerationのJohn Bahler。昨年The Going Thingプロジェ

クトで好演した勢いそのままに今作に挑んでます。そのせいか、同趣向のサウンドが反映

されています。他にもThe Ray Conniff SingersやThe Hellersに参加したSally Stevens、

同じくThe Ray Conniff~とThe Anita Kerr SingersのメンバーであるJackie Ward。The

Partridge  Familyを始めとする数多くの作品にBacking Vocalとして参加したRon Hicklin

などなど、Soft Rockグループ関連の面々が揃っているのです。

余談ですが、同年にリリースされたPaul Johnson Voicesの『What’s The Wayout』に

Saraを除く5名が参加してます。



アルバム内容

今作は片面6曲ずつの全12曲の収録で、全曲Dominic Frontiereが作曲、作詞の方はコーラス

隊の一人Sally Stevensが3曲のみ担当しております。肝心の内容についてですが、ヴォーカ

ル入りのSoft Rockと激しい演奏で魅せるファンキー・チューン、そして映画のシーンに当て

られたインスト・ナンバーの3つに大別できます。Soft Rockファンの聴き所は、勿論タイ

トル曲の「On Any Sunday」。アルバム内に3つのヴァージョンで分かれており、まず冒頭

「Main Title」は高速で疾走する男女混声コーラス物、4曲目はそのスキャット版、そしてエ

ンディングを飾る「End Title」は、一転スローな曲調でウィスパー系の女性ヴォーカル物。

どのヴァージョンもSoft Rock直系のサウンドで聴き応えあります。他に1曲だけヴォーカル

入りの曲がありますが、あまりパッとしない地味な曲です。以下、収録曲になります。

Side-1

1 「On Any Sunday (Main Title)」

2 「The End Of Love」

3 「Stretchin’ Out」

4 「On Any Sunday」

5 「Sunday Drivin’」

6 「I Believed」

Side-2

1 「Hindsight」

2 「Messin’ Around」

3 「Theme For The Champions」

4 「Cross Country」

5 「Widow Maker」

6 「On Any Sunday (End Title)」

せっかくなので「On Any Sunday」の全ヴァージョンを聴いてみましょう!!

★「On Any Sunday (Main Title)

歌詞入り+男女混声コーラス。カウンター・コーラスはあるものの、男女による掛け合いは

なく、基本ユニゾンとハモりで聴かせます。高速ビートに乗ってグイグイと凄い勢いで攻め

込んでくるファンキーな演奏(特にドラム)に、負けじと食らい付いてくるコーラス隊。この

感じ、この高揚感は正にThe Going Thing!John Bahlerさん流石ですね。

★「On Any Sunday

Main Titleと同じリズム・テンポですが、演奏は若干異なっておりますので差し替えではな

いみたいですね。スキャットは「パパパ」や「パッパラッパー」などで表現してます。歌詞

入りをスキャットにするだけで大分印象が違います。

★「On Any Sunday (End Title)

個人的におススメなのは、こちら。テンポ・ダウンすることで、甘美でメローな1曲になりま

す。瑞々しい女性ヴォーカル(Jackie?)に被さる柔らかいパッセージ・コーラスが最高!

最後に

長いことレア盤だったみたいですが、2008年にHarkit RecordsからCD化されて入手しやす

くなったそうです。が、今はそのCDすらあまり見かけませんね。ちなみにジャケ違いのオリ

ジナルUS盤が一番レア。CDの方もジャケが違うので「見る」楽しみもありますね。