Dino, Desi & Billy 『Hawley / Let’s Talk It Over』EP 1969年作

今ではSoft Rockを代表する3人組として知られるようになったDino, Desi & Billy。

Grammar Schoolで出会った3人は、すぐにバンド結成をして、DinoとDesiの親の七光りを

惜しみなく利用し、いきなりFrank Sinatraが設立した大手レーベルReprise Recordsと契約

をし、1964年にレコード・デヴュー。演奏はLee Hazlewood、Billy Strange、 Jimmy

Bowen、Hal Blaine、Leon Russellなどの大物セッション・ミュージシャンに任せ、さらに

Lee Hazlewood、David Gates、Boyce and Hartの面々からも作曲提供ありと、正にVIP待

遇。初期にはカバー曲を中心としたフォーク・ロック寄りのビート・グループでしたが、

徐々にサウンド・チェンジを図り、サイケ・ポップ色が強くなってきます。その内、演奏や

作詞作曲も自身で行うようになり、ヴォーカルやコーラスもみるみる成長。その後、1967年

『Without Hurtin’ Some / Kitty Doyle』のシングルを境にSoft Rockへと変貌を遂げていき

ます。以降はDavid Gates作「Thru Spray Colored Glasses」を筆頭に「A Certain

Sound」「Lady Love」「Tell Someone You Love Them」などなど、数こそ少ないものの

The Cyrkleに通じる「甘くソフトな」世界観を重点に置くサウンド・アプローチで

Soft Rock史に残る名曲を残しました。最終的には、Desiが母親のTV番組に本格的に出演

することと、Billyの大学進学を理由に1970年に解散してしまいます。

さて、少々前置きが長くなってしまいましたが、本日紹介するのは彼らが黄金時代に残した

貴重なシングル『Hawley / Let’s Talk It Over』。こちらは、RepriseではなくColumbiaと

CBSからのダブル・リリースということで、残念ながらSundazed MusicのBest版には収録

されませんでした。一応Soft Rock本に掲載はされていますが、まだCD化はされてないので

未入手の方も中にはいらっしゃるかもしれませんね。ということで、ついでにメンバー3人の

経歴を一度おさらいしつつ、視聴も兼ねて楽曲紹介をさせて頂きます。

※上記動画は、Soft Rock期の貴重な「動く」Dino,Desi & Billy。口パク+当て振りです

が、演奏風景の彼らが見れることに涙。Dinoの独特なベースの弾き方に注目。

メンバー紹介

Dean Paul Martin


アメリカ・カリフォルニア州サンタモニカにて1951年11月17日に出生。

ジャズ系ポピュラーシンガー、俳優、世界的に著名なエンターテイナーであるイタリア系

米国人の父親Dean Martinと歌手の母親を持つ彼は、ミュージシャンだけでなくプロのテニ

ス選手、俳優としても知られ、他にも1968年にパイロットの免許を取得して1981年に米国

空軍で勤務もするなど多方面に活動しています。しかしながら、自身が操縦した戦闘機が

悪天候により山中に墜落し、35才という若さで亡くなっています。

プライベートでは、1971年にOlivia Husseyと結婚し、Alexanderという名の息子を授かり

  

ますが、1978年に離婚。その後、アイススケートのオリンピック金メダリストDorothy

Hamillと1982年に結婚するも84年にまたしても離婚。

 

ちなみにOlivia HusseyはDinoとの離婚後、カネボウ化商品のCMで共演した布施明と結婚。

すぐに離婚して、米SSWのDavid Glen Eisleyと再婚。

   

弟のRicci Martinは1976年に『Beached』というサマー・ブリージン漂う名盤を残してま

す。中でも「Here I Go Again」はSoft Rockファン必聴の名曲ですね。

77年作『Beached』

腹違いの兄弟Deana Martinは、歌手、女優、作家として活動してます。

彼女は、60年代にソロ・シングルを計2枚リリース。

1966年「Baby I See You / The Bottom Of My Mind」

1967年「When He Remembers Me / Girl of the Month Club

2枚目は、オールド・タイミーなカントリー・ソングですが、Girls Pop好きには必聴。

  

※Dinoとは、彼の誕生名「Dino Paul Martin Jr.」から取られてます。





Desi Arnaz Jr.

アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスにて1953年1月19日に出生。

コミカル系テレビに出演する女優兼モデルの母親Lucille Ballと俳優、作曲家、TV番組の

  

プロデューサーとして有名なキューバ生まれの父親Desi Arnazの間に生まれた彼は、

ミュージシャンよりもDinoと同様俳優業で良く知られてますね。十代は、歌手・女優で

活躍する姉のLucie Arnazとコメディ・ドラマ「The Brady Bunch」や母親のコメディ番組

に実の子供役として出演。その後、映画やテレビ・ドラマに数多くの作品に関わっておりま

す。プライベートでは、15才の時にあるモデル女性との間に娘(Julia)を授かるが結婚はせ

ず。17才の頃には、6つ年上のPatty Dukeと交際するも母親から猛反対を受けてしまいま

す。というのもPattyが当時Desiを含め同時に3人の男性と交際していたからです。

結局、Pattyとは破局。

    

Desiは、1980年に女優のLinda Purlと結婚→1年後に離婚。そして1987年Amy Laura

Bargielと結婚して、娘を授かります。

1971年に2枚のソロ・シングルを発表してます。

「Giant Man / Our World」

「Here I Am / Lady’s Hair」

※後日、紹介予定。

Billy Hinsche

フィリピン共和国マニラ市にて1951年6月29日に出生。第二次世界大戦後に家族で米国・

ビヴァリーヒルズへ移住し、父親はビジネスで大成功を収めたらしいです。Billyは、ビバ

リーヒルズカトリック高校に入学。そこでDinoとDesiに出会います。The Beach Boys

Familyとは親交が深く、面白いことに彼の妹Annie HinscheがCarl Wilsonと結婚したこと

で、Carlとは義理の兄弟になります。が、その後離婚をしてしまい、Carlは1987年にDinoの

姉妹Ginaと再婚。

  

Billyは、作曲からアレンジまでこなすミュージシャンですが、甘い歌声に定評があり、

CarlやDennisのSolo Albumに、コーラス隊の一人として参加しています。他にもAmerica

やElton John、Warren Zevon、Ricci Martinなどの作品にも意欲的にバッキング・コーラ

スで参加します。The Beach Boysのスタジオ録音や、ツアーの参加などについては音楽

本などで詳しく載っていたと思いますので、そちらでのご参照お願いしたいです。

特筆すべきは、Solo Singleでしょうか。是非下記視聴でお試し頂きたい。

1971年 「Music Is Freedom / Don’t Know Why

青春ネオアコ・ナンバーのA面と、メロー・バラードのB面と両面最高のダブル・サイダー。

楽曲内容

A面「Hawley

70’sのSoft Rockシーンで度々お目にかかるHarmony & Mellowな楽曲の前衛的なものとし

て、永遠に語り継がれるであろう大名曲。「Breadを先取りした様な」という江村氏の表現

は正に的を得ており、David Gatesが彼らに楽曲提供していた影響からか、恐らく何らかの

形で彼のエッセンスを吸収していたと推測されます。メンバー全員によるオリジナル・ナン

バーで、この極上のメロー・バラードや深みのあるBillyの甘くメローな歌声、そして決して

メロディの邪魔をしない爽やかなコーラス。その全てが究極のハイ・クオリティ!

Soft Rock史上、最も価値のある1曲として是非皆さんにも入手して頂きたいです。

B面「 Let’s Talk It Over

Folk~Garage Rock調のサウンドに、ポップとサイケなエッセンスが加わった作品です。

A面とは全く違う作風ですが、こちらも聴き応えあります。

最後に

Dinoの死後、弟のRicciを変わりに加えた「Ricci、Desi&Billy」という名称でLiveを中心に

1998年から2010年まで活動します。そのライブ演奏を2枚のアルバムでリリースしていま

す。下記動画で名曲「Lady Love」も演奏してますが、演奏中Dinoの姉Lucieがコーラスで

入るのか、タンバリンで入るのか上手く息が合わず、もめてます((*´∀`))ヶラヶラ