Daylight 『Listen For A While』LP 1976年作

本日紹介するのは、米・ミネソタ州ミネアポリス出身の青年男性5人によるCCM系グルー

プ。今作は、Bob Dylanの『Blood On The Tracks』やCat Stevensの『Izitso』でも有

名なSound 80でレコーディングされた彼らの唯一作です。表ジャケに写るメンバー全員の

若々しく爽やかな笑顔(と上の歯)がとても印象的ですが、サウンドはほぼ全編通して円熟し

たメローな楽曲が目白押しとなっています。彼らは音楽と宗教を通して個々人が密接な関係

にあるためにグループ間の結束力はとても強く、それがメンバー全員の目標に向かわせる意

識を高めさせ、洗練された味わい深いメローサウンドを生んでいるのです。

全体的に抑え気味の演奏、ゆったりとした曲やバラードが多いので、アップテンポの明るい

ポップ・ソングを期待している方には不向きかもしれませんが、David Gatesが書くような

儚く気品のあるメロディが好きな方且つまったりと味わって聴きたい方にこそおススメ。

そろそろお気付きかと思いますけど、内容はとても慎ましく素朴。元々マイナーな上に中身

がこんな感じなので、あまり語られることもないアルバムなんです。ただ、素通りするには

勿体なさ過ぎる素敵な曲が詰まってますので、興味のある方は是非読んで視聴をして頂けた

らと思います。

アルバム内容

今作はA面5曲、B面に6曲の全11曲収録されてます。カバーとオリジナルが調度半々くら

い。CCMということで、カバーはほとんどゴスペル系。オリジナルに関しては、リード・ヴ

ォーカルも務めるJerry Nelsonの曲が非常に内容が良く、彼の書いた3曲は全てメローな一

級品。加えて声質も繊細にしてソフトで甘く、楽曲にそこはかとない深みを与えてくれま

す。メンバーもその魅力を決して見逃すことはなく、コーラス・演奏は抑制の効かせたアン

サブルで後押し。この一体感こそが、このグループ・アルバムの魅力なんです!

以下、収録曲になります。

Side-1

1 「He Is Always Near」・・・Nelson

2 「I Never Was So Happy」・・・McCrary

3 「Come And Go With Me To That Land」・・・Trad.

4 「Listen For A While」・・・Nelson

5 「He Died On The Cross」・・・Green

Side-2

1 「Come On Back」・・・Crouch

2 「When Will We Learn To Love One Another」・・・Nelson

3 「Tell The People」・・・Bartlotti

4 「The Object Of His Love」・・・Johnson

5 「Jesus Is The Answer」・・・Crouch

6 「Thank You Lord」・・・Burgess

メンバー(写真左から順に)

Jerry Nelson : Vocals , Trumpet , Piano

Glen Slice : Drums , Bongos

Tim Johnson : Vocals , Electric Guitar , Piano , Organ

Dale Short : Bass

Mark Johnson : Vocals , Acoustic Guitar , Piano




オープニングからいきなり哀愁メロー・ナンバー。センスの良い上品なメロディと、包み込

むヴォーカルの相性が抜群に良く、その良さが存分に発揮されてるこの曲が個人的におスス

メ。何しろこのゆる~いまったり感がたまらない。ワイルドでノリの良いラフなスワンプ・

ロックとは違って、ゆったりとサウンドの中にも適度にピリッとした緊張感があるんです。

是非ご視聴ください。

2曲目「I Never Was So Happy」は、ファミリーグループThe McCraryのゴスペル・カバ

ー。こちらは泣きのメロで勝負といった感じです。続く「Come And Go With Me To That

Land」もゴスペル・ソング。打って変わってややカントリー・タッチな明るい曲。CCM系

によくあるポップ・ソングですね。4曲目「Listen For A While」はJerry Nelsonのオリジナ

ル。やはり彼の書く曲は絶品。決してメロディアスに傾きすぎることない繊細で流れるよう

なメロディが、聢と心に響きます。A面のラストを飾るのはアメリカのゴスペル・シンガー

Andraé Edward Crouchの1曲。タイトルからしてCCM色を強く感じさせられますね。儚く

ドリーミーなメロディが美しいスロー・バラードで、フルートの鳴りや息ぴったしのユニゾ

ン・コーラスが実に奥ゆかしいナイス・カバーです。

B面に入りますと、A面の「Come And Go ~」と同様のCCM系ポップ・ソングで幕開けし

ます。そして2曲目はJerry Nelsonのオリジナルによる素晴らしい一曲。アコギやピアノの

音色がとても素敵なメロー・バラード。これはメロー・フォーク好きにもおススメしたいで

すね。続く「Tell The People」も、同路線のメロー・バラード。4曲目はTim Johnsonのオ

リジナル。爽やかコーラスが気持ち良いロック・ナンバー。ちょっと長めのトロンボーン・

ソロも聴き応えあり。5曲目「Jesus Is The Answer」はややゴスペル色の強いCCM系バラ

ード。ラストの「Thank You Lord」は、ジワジワと心に染み入るのメロー・バラード。

甘く、ドリーミーなヴォーカルが心に響きます。素晴らしい1曲です。

最後に

パッと聴いて良さが分かるというよりは、後からじわじわくるタイプの名盤。地味なりに

メローな良い’’音’’を出しているので、メロー好きには重宝するアルバムでしょう。

※今作発表後のメンバーの動向ですが、ベースのDale ShortとドラムのGlen Sliceの2人

は、同じくSound 80 Studiosでレコーディングされた77年にリリースのCommon

Bread『In His Presence』で演奏のみで参加、そしてTim JohnsonとJerry D. Nelsonの2

人は、80年代に入ってから大所帯コーラス・グループThe Dale Warland Singersへ参加し

ます。