C/F Schott 『Schott!』LP

米・フロリダ州メルボルン出身のArthur Lee Harperは、60年代後半のサマー・オブ・ラブ

真只中にある時期に、未だに呑気にブルースやカントリーなど保守的な音楽を奏でている米

・南部には、辟易しておりました。ミュージシャンへの夢を抱いていた彼は、アメリカン・

ドリームを叶えるべく、ヒッピー革命の発祥地であったカリフォルニア州ハリウッドに赴き

ます。そして1968年にArthur名義で1st Album『Dreams And Images』でデヴューを果た

します。このアルバムは、サイケデリックなサウンドに、彼のソフトで甘いヴォーカルとア

コギやストリングスの音色が絶妙に溶け合い、ドリーミーな世界観浸れるアシッド・フォ

ークの傑作盤でした。

1st『Dreams And Images』

これで手応えを感じた彼は俄然勢いづき、翌年1969年には音楽仲間を集めて自主レーベル

「Nocturne Records」を立ち上げ、2nd Album『Love Is The Revolution』をリリースし

ます。こちらはエレキ・ギターも登場し、よりロック寄りの曲も見受けられますが、やはり

2nd 『Love Is The Revolution ‎』

サイケ・フォークな内容になっています。そして同時期に制作されたと言われるのが今回紹

介するC/F Schott名義による『Schott!』。同レーベルからのリリースですが年代は不詳。

リリース済みの2作品では得意のサイケ・フォークサウンドと全曲の作詞作曲というSSWぶ

りを発揮しておりましたが、今作では元々SSWであるはずの彼が全曲カバー・ソングで挑ん

でおり、加えてサウンドも一変してソウルフルなロックに。恐らく、今作は1st・2ndのイメ

ージと一線を画す内容であり、その区別するために変名名義を使用したのではないか、とい

うのがゆいさん的見解。

で、どうして今作を紹介するかと言いますと、ファンの方々はもう既にお気付きだと思いま

すが、ロジャニコ作曲の「The Time Has Come」が収録されているからなんですね。しか

もこの曲、他の誰もカバーしてないっというかなりレアな1曲らしいんです。確かコンピ盤

でCD化されていたと思いますが、聞くところによるとそのCDもかなりレアだそうです。

そんな訳で誰かしら聴きたい方がいらっしゃれば役に立つのでは!?と思った次第でござい

ます。

裏ジャケはこんな感じ



アルバム内容

今作は両面共に4曲ずつの全8曲の収録。ゴスペル風の女性コーラスは良いのですが、シャウ

トも含むソウルフルな歌唱はやや鼻に付き、Soft Rockファンにはつらい部分はありますけ

ども、A面冒頭の「Home」や3曲目の「Funny Faces」、B面では「Sad Man. Happy

Boy」や「They Picked The Right Man」など、比較的ソフトな歌い方で魅了する曲もある

にはあります。一概にも’’こう’’と決めつけられない内容です。

Side-1

1 「Home」・・・Marks

2 「The Time Has Come」・・・Williams / Nichols

3 「Funny Faces」・・・Larson / Marcelliano

4 「Might Be All Falling Down」・・・Gancher

Side-2

1 「University Of Soul」・・・Woods

2 「Sad Man. Happy Boy」・・・Larson / Marcellino

3 「They Picked The Right Man」・・・Woods

4 「My True Home」・・・Morehouse / Dunham

ゆいさんのおススメ

Home

サイケ・フォーク期で魅せていた、繊細なジャントリー・ヴォイスの名残りが見受けられる

1曲。ピアノの前奏から、あのナイーヴな歌声が登場する瞬間は本当に美しいです。途中から

女性コーラスが入り徐々に盛り上がっていき、ドリーミーな雰囲気は薄れますが、全体的に

悪くない出来です。

The Time Has Come

聴き始めた瞬間にロジャニコ・ワールドが炸裂してます。静かな出だしから徐々に盛り上が

り、サビで一気に開けたように忙しく展開した後に急にテンポを落とす、この抑揚の効いた

フレーズは彼らしいというか、やや二番煎じ気味ですが、聴くほどに味わい深い不思議な魅

力を放っています。ロジャニコ・ファンなら是非押さえておきたい1曲です。

最後に

L.A.のロック・バンド「Love」のリーダーArthur Taylor Leeとは全くの別人です。

60年代後半という同時期に、同じくカリフォルニアで、どちらもサイケ・サウンドだっ

たというのですから、ヤヤコシイですよね~。でも容姿はまるで懸け離れてますww