Ben McPeek 『The Original Sounds Of Ben McPeek』LP 1966年作

The Mutual Understanding『In Wonderland』のディレクターを務め、The Laurie Bower

Singersの多くの作品で指揮、アレンジ、ピアニストとしてマルチな才能を活かしてサポート

してきたBen McPeek。今回紹介するのは彼の2nd Solo Albumです。The Laurie Bower

Singersの面々が参加している作品の中でも極初期に当たるアルバムとして話題を呼び、内

容の良さも相俟ってカナダ産Soft Rockの人気盤の1枚として知られています。さらに注目を

集めているのはインテリア映えする表ジャケット。端正な顔立ちの女性をジャケに目一杯収

めており、特に印象的なのが丸縁でオレンジ色をしたサングラスと、口紅で書かれた頬のお

花。こういった粋な芸術性が音楽の方にもふんだんに取り入れられています。小気味よいリ

ズムや洒落たジャズ・サウンドに乗り、様々な楽器の特徴を活かしたサウンド・アプロー

チをされています。今作はスキャット・コーラスをフィーチャーした作品ではなく、基本的

には涼し気で控えめなコーラスで、ジャズ演奏を邪魔することなく、あくまで引き立て役と

いった感じなんです。カナダ産Soft RockということでMutual直系の濃厚なハーモニーを期

待しがちですが、こちらは趣きを異にしたスウィンギーなジャズ・サウンドが楽しめます。

Ben McPeekについて

 

カナダを代表するの作曲家、アレンジャー、指揮者、ピアニストのBen McPeekこと

Benjamin Dewey McPeekは、1934年8月28日に英・ヴィクトリア女王によって名付けられ

たブリティッシュコロンビア州トレイルで出生しました。彼は十代の頃からミュージシャン

としての才能が跳び抜けて高かったそうです。しかし地理的な影響で近くに良い音楽大学が

なく、カリフォルニアに引っ越し音楽の勉強をするか、それともトロントか?と、自身の進

路について深く悩んでいました。結局トロントへの移住を決意し、1886年に創立されたカナ

ダで最も由緒あるトロント王立音楽院で音楽を学びます。優れた芸術教育を行っていたこの

音楽院は、David FosterやAngela Hewittなど超一流アーティストを世に輩出してきたこと

で有名。さらに1953年にはトロント大学に入学。3年後には学位を取得しました。卒業後は

現地トロントにて大学での知識・経験を生かし、ダンス・バンドのピアニストとして自身の

キャリアをスタートさせます。

その後シンガーとしての活動も始め、1960年代に入ると彼の才能が一気に開花し始めます。

60年代初頭は音楽ディレクターからプロデュースの仕事を手掛け、さらに1964年には自身の

会社Ben McPeek Ltd.を設立。ラジオやテレビへのジングルを延べ2,000曲も作曲し、カナ

ダでトップ・レベルのジングル作曲家としての地位を確立しました。その後も作曲提供のみ

ならず、ピアニスト、アレンジャー、コンダクターなどマルチな活躍でカナダの音楽業界や

文化に大きな影響を与えました。



アルバム内容

今作は両面共に5曲ずつの全10曲収録されてます。Ben McPeek本人のオリジナル・ナンバ

ーも3曲収録されていて、往年のスタンダード・ナンバーと並べても全く遜色がない出来。

聴き所は、演奏とスキャットが上手く調和したジャズ・サウンド。中道をいく凡庸なイージ

ー・リスニングのスタイルには収まらず、楽器それぞれのソロや遊び心に富んだアレンジが

楽しめる内容になってます。下記に曲中にソロプレイを披露した参加ミュージシャン、並び

に収録曲を記しておきます。

参加ミュージシャン

Ben McPeek : Piano

Bernie Piltch : Flute

Jack Zaza : Harmonica & Flute

Fred Stone : Flugelhorn & Lead Trumpet

Peter Appleyard : Xylophone & Vibes

コーラス隊

The Laurie Bower Singers

収録曲

Side-1

1 「Ramblin’ Rose」・・・Burkle / McArthur

2 「Colonel Bogey」・・・Alford

3 「Big Red」・・・Ben McPeek

4 「Someday Soon」・・・Ian Tyson

5 「Mame」・・・Jerry Herman

Side-2

1 「Kapuskasing Kaper」・・・Ben McPeek

2 「Alouette」・・・Traditional

3 「That Old Black Magic」・・・Mercer / Arlen

4 「Yorkville Yak」・・・Ben McPeek

5 「For Lovin’ Me」・・・Gordon Lightfoot

ゆいさんのおススメ

コンセプト・アルバムではないのですが、様々な曲調や曲の中で気合いの入ったアレンジ、

洒落たフレーズがあったり、オーケストラとスキャットの絡みだったり、通して聴くことで

Ben  McPeekが表現したかったサウンドの全体像というのが見えてくる作品でもありますの

で、1曲だけ抜粋するのもナンセンスな感じはします。

ですが、視聴がなければイメージが湧きにくいので両面各1曲ずつ紹介しましょう。

混声スキャットが気持ち良いアップリフティングな「Ramblin’ Rose」とBen McPeekオリ

ジナルのツイスト・ジャズ「Kapuskasing Kaper」をお試しください!

最後に

如何でしたか?何ともお洒落な感じが最高ですよね。

気に入った方は是非探してみてください!