Barbara Gryfe 『What The World Needs Now』LP 1969年作

カナダ出身の当時若干18歳であったBarbara Gryfeが

1969年CBC Radio Canadaに残した唯一のアルバム『What The World Needs Now』は

同系統のJudy Singhの『A Time For Love』と

双璧を成す名盤として今では語り草となっていますね。

甲乙付け難いですけども、間違いなくSoft Rockというジャンルの枠を

ぶち破る怪物的な破壊力を持った大傑作盤だと思います。

彼女は11歳という若さで歌唱力を武器にタレントコンテストで優勝をして

13歳の時には、カナダのシンガーコンテストで

見事500人の中から選出されたことを受けて、数々のCBC-TV番組に出演をすることに。

1968年には第2回プロアマ作曲コンテスト「CBC Song Market」の

優勝曲である「Colors Of The Rainbow」のシンガーとして見事に抜擢されます。

※↑『1968 CBC Song Market』というタイトルでアルバムがリリースされています。

←これ

今作でも歌われている同曲とヴァージョン違いですので詳しく知りたい方はこちらから

その翌年に満を持して発表されたのが今作になるわけです。

バックアップしている方々がとても豪華ですので紹介します。

オーケストラ・ストリングスのアレンジ兼演奏に

カナダ産Soft Rock界の重要人物Rick Wilkinsさんが起用され

プロデュースにDave Birdが。

彼はカナダ産Soft Rockの数ある名盤にプロデューサーとして任されてますね。

例えばThe Mutual UnderstandingやHagood & The MontageのAlbumや

Stephanie TaylorのSolo Albumなど。

そしてエンジニアにIan Jacobson。

彼は翌年にJudy Singhの『A Time For Love』Audio ReMixとして起用されます。

それから著作権管理者及び利益配分の責任者である

エグゼクティブ プロデューサーにJury Krytiukさんが。

彼は1972年にJury Krytiuk Orchestra & Chorus名義での

名盤『A Portrait Of Burt Bachrach』として知られてますね。

←これです。

裏ジャケの推薦文にJury Krytiukさんがこんな言葉を残してます。

『CBCのDave BirdからBarbara GryfeのAlbumを 一緒に作らないか?

と尋ねられたんだけど、彼女のことなんて名前も聞いたこともないし、

全くやる気なかったから、Daveには「考えとくよ。」と一言だけ伝えてたんだ。

それで、その日の午後に(トロントの)バサースト通りを歩いてたら

その通りにパン屋があって、そこの窓全体にポスターが貼ってあり

こう書かれていたんだ。

「毎週土曜の朝のCBCラジオに私の娘Barbaraが出演してます!是非聴いてください!」

そして18歳前後に見えるBarbaraの写真が添えてあった。

そこで僕は一体Barbara Gryfeとはどんな人何だろうと思い

店に入り、ミセスGryfeに自己紹介をした・・・・(以下略)』

面白い話ですよね。こういう出来事がなければ

別の人がエグゼクティブ プロデューサーを担当しているか

もしくは今作品も見送られていたかもしれません。

※こういう現象をスイスの心理学者いわく「シンクロニシティ(意味ある偶然の一致)」

日本語では「共時性」とも訳されてますよね。

こうしてヒロインのBarbaraは縁の力も手伝い、名だたる面々を迎え

そして臆することもなく、自身の歌声を心置きなく披露します。

彼女の最大の魅力は、歌声が本当に素晴らしいことです。

美しいコーラスやハーモニーがこれっぽちもないのに

ソフトロックの名盤として語られるのは

やはりそこに最大の輝きが潜んでいる証拠でもあるのです。

ロリータヴォイス&キュートな声質と

安定した伸びのある歌い方が特徴的で

時折見せる大人っぽい歌い方にもグッときます。

人気なのはTony Hatch作曲の2曲『Who Am I』と

Petula Clarkのヴァージョンで有名な『Don’t Give Up』。

難しい曲でも、音域が広いので造作もないといった

余裕のある歌いっぷりが何とも心地が良いですね。




私が最もオススメしたいのはタイトル曲の『What The World Needs Now』。

Burt Bacharach作曲の曲でDionne Warwick、Jacki DeShannon、

Robert John、Four Kinsmenなど多くのアーティストにカバーされてます。

最近ではイギリスのタレント発掘番組『Britain’s Got Talent』で

凄い歌唱力で会場を沸かしたConnie Talbotが

後に自身のYou-tubeチャンネルでこの曲を熱唱しておりましたね。こちら


この当時13歳だったらしいです。この歳でこんな歌えたら学校で人気者でしょうね。

高音が辛そうなのと、今風(?)な歌い方・節回しが好みを分けるかも・・

Barbara Gryfeの歌声はあくまで自然体。

この天然の良さが、皆に愛される秘訣でしょうか?