ソフトロックとは

ソフトロックとは、Wikipediaやソフロ本でも言及されている通り、

「範囲が明確ではなく、あいまいなまま」というのが、的を得た表現なのかな?

と私は感じてます。ザックリとではありますが、「ソフトロック」という言葉が

一般的に知れ渡った経緯を振り返ってみましょう!

諸説はありますので、ご了承くださいね。

1960年代後期にリリースされたHarpers Bizarre『Fellin’ Grovy』や

The Association『Birthday』の裏ジャケのライナーノーツのタイトルに大きく書かれた

「ソフト・ロックの王者」「ソフト・ロックのチャンピオン」というキャッチフレーズが

使われたのが「ソフトロック」の語源の最初期に当たると言われてます。

           

しかしながら、その時に使われたのは確固としたジャンルの意味ではなく

あくまで彼らのサウンドスタイルを表現した「言い回し」や「フレーズ」的なものでした。

1960年代~70年代にかけての洋楽ロックの激動期。次にどんなサウンドが売れるか

分からないそんな時期に、様々なサウンド志向を持った多くのミュージシャン達が

爆発的に増殖します。

その中で、ひっそりとスタジオでの音入れに注力し、巧みなアレンジや美しいコーラス、

キャッチーなメロディに重点を置き、一際優しさ溢れるサウンドを持ったアーティスト達が

いました。彼らがいわゆる、現代でいうソフロの元祖アーティストなのです。

           

しかし、正当に評価を受けるのは、それから20年以上も後のことでした。

ソフトロックブームの発端にもなったのは、1980年代中期から沸騰した渋谷系アーティスト

ピチカート・ファイヴの小西康陽やフリッパーズ・ギター。

           

彼らが元祖ソフロ系アーティストのレコードを取り上げられたことや

時を同じくして刊行が始まった、後のソフトロックブームに大きく

貢献することになる佐野邦彦氏による「Raven On」。こちらは以後Vandaへと改名。

90年代に入り、Vandaが本格的に元祖ソフロをかなり掘り下げて取り扱うようになる。

現代の我々が読んでも勉強になるような記事が多く取り扱われていますので、

未読の方は是非手に取って熟読することをオススメします。当時、どのように

ソフトロックが認知されていたかが分かる貴重な手掛かりにもなります。

なおWebVandaでも過去の記事を読むことが出来るそうです。

           

そして1990年代後期には、そのVanda誌の記事の執筆者の一人であったEM Recordsの

江村 幸紀氏がTony RiversやChris Rainbow、Alan Carvell、Chris Whiteなどの

レコード音源を続々とCD化させ、その波に乗り、彼が監修した

The Digディスクガイドシリーズ「Soft Rock」の刊行。

Vanda誌も今まで取り扱ったソフロアーティストをコンパクトに編集した

レコードガイド本「SOFT ROCK A to Z」を刊行。

           

そこに渋谷・Organ barや橋本 徹氏監修の「Suburbia suite 」、

さらに、当時は一部のマニアしか入手できなかった名盤が同時期に

CD化が進み、誰もが気軽にソフロの名盤を手にすることができ

2000年前後に空前のソフトロックブームが到来!一部のマニアが求める

ニッチ系のジャンルではなくなり、レコードショップでも「Soft Rock」という

項目でジャンル分けされるようになり、恐らく、この辺で「ソフトロック」

という名称が世に知れ渡ったとされてます。

その後、再評価の流行も過ぎ去り、未CD化だったレコードもチラホラとCD化されるも

勢いは次第に弱まり、現在に至っております。

個人的な見立てでは、最近はソフトロックの解釈も広い意味で使われている様に

感じてます。ブーム当時のソフトロックの認識には60年代~70年代中期辺りを

時代の区分として捉えていた節がありましたが、昨今の音楽誌や某大手レコード会社

のCDを紹介するふれこみでは、年代関係なくソフトロックと称されることが

増えてきた気がするからです。

現に今も、このブログで80年代以降のレコードもソフトロックとして

紹介させてもらってます。冒頭で記載した通り、「範囲があいまい」ということ

をポジティブに受け取り、自由度・汎用性の高いジャンルという位置づけで

今後はさらに多様化していき、「死語」ならぬよう多くの方々に使って頂きたく

思います。

ジャンルというのは、あくまで便宜上つけられたものですから

各々によって考え方や感じ方は異なりますので、あなたがそれをソフトロックと

思えば、それがあなたにとってのソフトロックで問題ないと思います。